水性アクリル系圧敏接着剤の保管には、乳化安定性を維持し、劣化を防ぎ、適用までの性能特性(粘着性、付着性、粘度)を保持して最終用途における信頼性を確保するために、管理された環境条件が必要です。接着剤は、水の蒸発、汚染、空気への暴露による表面硬化(表面に固体層が形成されること)を防ぐため、元の密閉容器(好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)またはステンレス鋼)で保管する必要があります。温度管理は非常に重要であり、最適な保管温度は5℃から35℃(41°Fから95°F)の間であり、凍結(乳化粒子が破壊され不可逆的な分離を引き起こす)や過度な高温(微生物の増殖やポリマーの劣化を促進し、黄変や粘度変化を引き起こす)を避ける必要があります。凍結は厳に避けるべきであり、万が一解凍しても粒子が損傷しているため接着剤の機能は失われます。保管場所は乾燥し、通風性が良い場所に設け、容器表面に結露が生じて余分な水分が入り込み接着剤が希釈されることを防ぐ必要があります。また、直射日光や紫外線への暴露も長期にわたる架橋反応や硬化を引き起こす可能性があるため避ける必要があります。在庫管理は先入れ先出し(FIFO)方式に従い、保管期間を最小限に抑えることが望ましく、一般的な使用期限はバイオサイド含有量に応じて最適な条件下で6〜12ヶ月程度です。使用前には容器を点検し、劣化の兆候(分離、異臭、塊)がないか確認し、必要に応じて静かに攪拌して均一化しますが、乳化粒子を破壊する可能性があるため高せん断混合は避けてください。適切な保管により、接着剤は目的の特性を維持し、テープ、ラベル、医療用創布材などの用途において一貫した性能を発揮することができます。