水性アクリル系圧敏接着剤の価格は、原材料費、製造コスト、配合の複雑さ、市場需要などの要因の組み合わせによって影響を受け、製品グレードや発注量によって価格が変動します。原材料は主な要因であり、アクリルモノマー(例:2-エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート)は製造コストの40〜60%を占め、価格は石油市場(ほとんどのモノマーがプロピレン由来であるため)および需給動向に連動しています。プロピレンの不足や価格高騰はモノマー価格を上昇させ、接着剤価格の上昇につながります。付加剤(可塑剤、架橋剤、バイオサイド、界面活性剤)はコストの10〜20%を占め、医療グレードのバイオサイドや紫外線安定剤などの特殊添加物は高機能配合品の価格を引き上げます。製造コストにはエネルギー(反応槽加熱用)、労務費、品質管理が含まれ、大手メーカーは規模の経済により単価を低く抑えることができます。配合の複雑さも価格に影響し、生体適合性を備えた医療グレードや耐熱性のある工業グレードなど特定の特性を持つカスタム配合品は、研究開発や試験、特殊原材料により標準グレードよりも高価になります。市場需要の変動、例えば小売ピークシーズンにおける包装需要の増加などにより短期的な価格上昇が起こる一方、メーカー間の競争により標準グレードの価格が下落することもあります。発注量も価格に影響し、少量(ドラム単位)よりも大量(トン単位)での購入では割引が適用されます。地域差も存在し、輸送コスト、関税、地元の規制により価格が異なり、低VOC配合を求める環境規制が厳しい地域では価格が高めになります。全体として、価格は標準グレードでは中程度から、特殊配合品ではプレミアム価格まで、コスト、性能、市場要因のバランスを反映しています。