水系アクリル系圧敏接着剤(PSA)の再剥離性とは、水系アクリル系の圧敏接着剤が、残留物を残さず、粘着性を失わず、また被着体を損傷させることなく、複数回にわたって貼付・剥離・再貼付が可能である能力を指します。これは、除去可能なラベル、一時的な標識、再剥離可能なテープなどの用途において不可欠な特性です。この特性を実現するには、粘着性、はく離強度、内聚力の微妙なバランス調整が必要です。粘着性が高すぎると永久的な接着や残留物を生じる一方で、低すぎると初期接着性が不十分になります。再剥離性を実現するためには、配合者はモノマー組成を調整し、エチルアクリレートなどの低粘着性モノマーを高い割合で使用して、表面の粘り気を減らしつつ一時的な接着に十分な接着性を維持します。制御重合によって生成された低分子量のポリマーは、鎖の絡まりを減らして剥離性を高め、接着剤が被着体からきれいに離れるようにします。タックファイアーの含有量は最小限に抑えられ、または水素化テルペン樹脂などの低粘着性代替素材に置き換えられ、接着剤と被着体表面との親和性を低下させます。架橋度は低く維持され、接着剤が破断せずに十分な柔軟性を保ちつつ剥離できるようにしつつも、残留物を生じさせないために内聚力を維持します。乳液の粒子径は最適化され(300~500nmの大きな粒子径)、被着体との接触面積を減らして接着強度を低下させます。試験では、はく離強度(再剥離可能な用途では通常1~5N/25mm)、残留評価(複数回の剥離後の目視検査)、再貼付サイクル後の粘着性保持性(プローブタックテスト)を測定します。このような配合により、接着剤は施工中に簡単に再調整が可能となり、必要に応じてきれいに剥離でき、再利用も可能になります。このため、配置の柔軟性が重要な用途である小売店のラベル、プロモーション用資材、一時的な固定などに最適です。