水性アクリル系圧敏接着剤の評価試験では、その用途(包装、医療用テープ、ラベルなど)における性能要件を満たすために、タック性、剥離強度、せん断耐性、耐久性などの主要特性を評価する一連の標準化された試験および用途固有の試験が行われます。タック性とは、接着剤の初期の粘着性のことであり、金属プローブを接着剤に接触させた後、その離型に必要な力を測定するプローブタック試験(ASTM D2979)などの方法で測定され、初期接触時の接着性の良否を示します。剥離強度とは、特定の角度(ASTM D3359に規定される90°または180°)で基材から接着剤を剥がす際に必要な力のことで、鋼、紙、プラスチックなどの素材への接着強度を評価します。用途に応じて低剥離力(可逆式ラベル用)から高剥離力(永久接着用)まで使い分けられます。せん断耐性(ASTM D3654)は、接着剤が時間とともに静的荷重に耐える能力を測定し、接着剤自体の凝集性を評価します。これは自動車部品や包装材のように、ストレス下でも接着性を維持する必要がある用途において特に重要です。耐久性試験には、熱、湿度、紫外線などへの暴露により長期的な性能を模擬する加速老化試験があり、老化後のタック性、剥離強度、せん断耐性を再評価して安定性を確認します。化学耐性試験では、接着剤を水、油、溶剤、洗浄剤などの物質に暴露した後、接着性の変化を評価し、過酷な環境下でも性能を維持できるかを確認します。医療用途では、皮膚刺激性や細胞毒性を評価する生体適合性試験(ISO 10993)を行い、電子機器用途では、脱離ガス試験(ASTM E595)により揮発性物質の放出量を測定し、コンタミネーション防止を図ります。粘度(ブルックフェルド粘度計)、固形分含量(重量分析)、pHなどの物理的特性も、製造および適用時の一貫性を保証するために評価されます。これらの試験は、配合物の性能を定量的に検証し、品質管理を支え、業界規格への適合性を保証するために不可欠であり、信頼性のある水性アクリル系圧敏接着剤の開発および生産において重要な役割を果たしています。